特高変電所更新に伴う 仮設非常用発電設備設置工事

非常用発電設備 2,800kVA

現場の概要

工場に設置されている非常用発電設備を更新するため、仮設発電設備を設置することになりました。発電機のレンタルは他社でも取り扱っていますが、700kVA発電機を4基と遮断器盤となると、回路も複雑になり、対応できる会社が限られます。営業としてこの案件の指揮を執るには、設計と同等の技術力・知識が必要でした。

エピソード

東日本営業部 辻 祐馬

この現場で工夫した事は何ですか?

運用方法に関するヒアリングです。 お客さまがどういう風に発電機を使用したいのか、さまざまなケースを想定し、それを全て残さずヒアリングします。もしヒアリングに間違いがあれば、実際に停電が発生した時に機能しない製品を納めることになってしまうからです。そのためには、既設設備のシーケンスを読み、実際の機器動作を理解し、現場で話ができるようにならなければいけません。 納品時の試運転では、何十人もの関係者が立ち会い、たくさんの運転パターンを試しました。現場ではさまざまな質問が飛び交ったのですが、事前にしっかりと勉強した甲斐もあり、あせらずに対応することが出来ました。
負荷試験装置を用いた実負荷試験風景

この現場で大変だった事は何ですか?

納入直前になってお客さまより「運用方法を変更したい」という話が出たことです。 元々、発電機4台のうち1台は予備機として納入する予定だったのですが、直前になって4台全てを稼働させたいという話になりました。これに関しては、お客さまのご要望を満たしたベストな運用方法を提案することにより、解決しました。日頃から技術面の知識も身につけられるように勉強していたおかげです。 また、お客さまに来社して頂いて立会試験を実施しましたが、『実際に発電機へ負荷電流を流して動作確認をして欲しい』と、お客さまからご要望があったことも大変だった事の1つです。 現場と同程度のスペースが必要になるので、社外で場所を確保しました。そして、4台の非常用発電機や昇圧トランス、遮断器盤、負荷試験装置を設置して、実負荷試験を行いました。この社外での立会試験を段取りするためには、各部署の協力や連携が必要になり、調整する苦労はありましたが、皆さんの協力もあって実現することができました。私にとっては、搬送や据付、配線など、現場のイメージが事前にできたことも勉強になりました。

今回のプロジェクトの成功の秘訣は何ですか?

営業担当者の私自身がシーケンスに対する理解を深めたことで、お客さまから信頼を頂けた点だと思います。 今回は、約100ページのシーケンスをお客さまから頂いて、それを読み込むところから始めました。既設設備はどういう動きをしているのか、仮設設備はどういう動きをさせたいのかなど、シーケンスを全て理解した上で、お客さまがどういう運用をしたいのかをヒアリングしました。この時点で、「シーケンスが読めるなんて、淀川変圧器の営業は他社の営業とは違うな」と思って頂けたようです。 打ち合わせの場に設計担当が同席することはありますが、淀川変圧器は初期対応の場で、営業が手書きで図面を描いてその場で提案する、そして持ち帰った内容を設計担当に共有するという形で対応しています。そのため、お客さまが困ったときに頼られるようになり、結果としてお客さまと信頼関係を築くことができました。

淀変の営業として心掛けていることは何ですか?

お客さまの目線に立って、解決策を考える「考える営業」という姿勢が大切だと思っています。 そのためにも日々勉強を重ねて、技術者と同レベルの専門知識を身につけなければいけません。技術力を営業が備え、他社が入り込めないところを攻める、その行動力が差別化になると考えています。

現場風景

非常用発電機の搬入風景
昇圧変圧器 3φ 2,500kVA